ドイツでは、国の基準を満たした製品や食品に与えられるBIO(ビオ)シーゲルというのがあります。日本での「有機JAS」マークと同じようなもので、基準の内容は違うけど、このマークがくっついているものは「有機農法」でつくった野菜であったり、そうした飼料や規定のエコ飼育の方法でそだった肉だったり、合成添加物が少ないお菓子だったりするわけです。
ドイツ語がまともにできないので詳しくはわからないけれど、BIO食品は総じてやや高め、でも安全だってことで今人気は一般の消費者までひろがって大ブームと言っていいと思う。数年前までは専門店じゃないと手に入らなかったようなBIO製品も、今じゃ全国展開のスーパーのなかでも安売り路線のスーパーも自社BIOブランドの種類を増やして売り場が日に日に広がってます。
現在住んでいるベルリンのプレンツラウアーバーグ(Plenzlauerberg)でも、つい最近大きなBIO専門スーパー「ALNATURA(アルナチュラ)」がOPEN。健康オタクと姉から称される私は大喜びで、歩ける距離とあってもちろん偵察に行ってきました。
ドイツのよくある大手スーパーよろしく、適度な広さ。でも、やっぱり野菜は少なめ。面白かったのは日本食で、ドイツで健康に敏感な人々の間では日本食はヘルシーフードの代表格みたい。大きなアジアンショップでも売っていないような日本食が並んでいました。若干割高だけど、大きなアジアンショップはトラムに乗って行かないといけないし、合成添加物に規制がある商品を扱っているわけではないので、これはうれしい!
長くなりそうだからALNATURAについてはまた別でレポートしようかな。
で、つまりBIOブームなんです。ドイツ。
日本で暮らしていたときから、なるべく有機ものの味噌や醤油を使うようにしたり、生協の安心できそうな(いわゆる顔の見える?)野菜などをお財布の許す限り買ってました。「野菜は有機、もし無農薬があったら最高!」ぐらいに思ってました。
日本で大ベストセラーになった「食品の裏側」なんてもちろん熟読です。
で、先日姉が私にいろいろな荷物にまぜて送ってくれた1冊の本があったのですが、それがこれ
最初は、「またこんなの読ませて~」と眉をひそめながら読み進めていって、なかなか衝撃的な内容にぶちあたりました。
「作物は体内で天然農薬をつくっている」
が~ん。
つつ、つまり農薬を使わないようにした作物を選んでみたところで、農薬普通に使っている作物を食べても一緒って事????
うーん、これを読んでから、有機農法についてや天然農薬について、農薬の利害について、色々とネットで(ネットで調べるしかないのがくやしい!日本の大きな本屋が恋しいよ~(T_T))調べてみてますが、まだ解決してません。
この「メディア・バイアス」でも紹介されている「食品安全情報blog」によれば、無農薬野菜が自分で作る天然農薬のほうが、普通の科学農薬よりも場合によっては毒性が強いこともあるそう。
何よりも問題なのは「天然毒素についてはそのヒトや動物への影響がよくわかっているものは非常に少ない。」ということらしい。
科学農薬は成分も毒性も把握できているから、コントロールできて安全ってことだよね。
しかし一方では、貧困や社会環境でモラルが低下して、その「農薬のコントロール」ができなくなっている農家がいるわけだ。そしてそれは今、中国で増えているのかもしれないけど、ここドイツでは同じように、「トルコの野菜なんて怖い」って話を聞いたりする。
じゃあ、もう「安全」はいい。そんなものはない!って思おう。
しかし毒性のあるものに対して感受性の高い子どもを育てている親としては、なるべく「よい」ものを食べさせたい訳で。
- 「無農薬」信仰崩壊
- 「有機」農法への懐疑
- 「科学農薬のコントロール」への不安(農家への不信)
で、何食べろってのよ!!??って悩んじゃったんですが
それほど経済的に困窮していない国・産地で減農薬農法に取り組んでいる良心的な農家で作られた作物
とりあえず、これ。これに今、私の買い物ガイドラインは変更しつつあります。
しかしなんつーか、あいまいな解りにくいガイドライン・・・
とりあえずBIO買っておけばいーやって楽してたんですがそうもいかなくなって、只でさえドイツ語プロダクツに囲まれて時間が日本での倍かかる買い物に、また時間がかかるようになってしまいました。産地までチェックしないといけない訳で。
とりあえず、BIO盲信買いが無くなった分、お財布は喜びでいっぱいです。