ベルリンへ渡って早2年。といっても、来てからちょうど1年後からVHSへ通い出したので、それから丸1年間学校に通い続けておりました。授業で練習問題は解ける。動詞の人称変化も形容詞の語尾変化もある程度覚えた。文法も叩き込んだ。でも喋れない・・・・(涙)。中間のテストは合格しても(中間のテストにはきちんとした口答試験はない)、あまりに喋れないし、聞き取れないのでB1へ進む気になれず、何度も復習しながらやっとこの度DZというテストでB1レベルに合格しました。
これは以前ZD(Zertifikat Deutsch)というテストだったのが2009年春にDZ(Deutschtest für Zuwanderer)に名称も内容も変更になったもの。でも作ってるのはGoethe-Institutだからまったく別物、というほどでもありません。モデルテストはこちら>>
テスト前は結構プレッシャーもあったけど、楽しくもありました。
テストは2日間に渡って行われるのですが、まず一日目は筆記。内容はモデルテストを見るとわかりますが、聞き取り、読み取りと文章作成です。まず先生がCDを流すを聞きながら、問題を解いていくのですが、これが以前(ZDだったころ)は2回繰り返されてたのが、DZからは1回のみ。そうテスト前に先生から聞かされていたので、内心かなりやばいと思っていましたが、実際のテストではかなりゆっくりとしたスピードでした。
読み取りでは、モデルテストでは大抵求人広告とインターネットの総合案内的なサイトのトップページが題材として扱われるのですが、私が受けたテストでは情報サイトと学生向けの掲示板(大学の学生課の掲示板のような)でした。これはさすがに参りました。クラスメイトも口々に「あれはないよ!知らない言葉ばっかり!」と言ってましたね~。私が通っていた学校のクラスメイトは大半が在独5年以上のベテランで、みな社会人。ドイツの大学の学生課には縁がないので、この問題に関してはみな一様に「難しかった」と言っていました。
筆記の最後は「文章作成」。これはテーマが2つ与えられて、そのうち1つを選んで解答用紙に自分で書き込む問題です。ちなみに、上記の「聞き取り」と「読み取り」はマークシート方式です。大抵3択だったかな。 で、文章作成のテーマは
- あなたはインターネットで携帯電話を購入しました。そしてお金もすでに振り込みましたがまだ商品も届かず、返事もありません。これに対して返事をしてください。
- あなたは健康保険のプラン変更を考えています。保険会社へその旨連絡し、また家族のために適したプランを進めてもらうように伝えてください。
といった感じ。んでそれぞれにさらに3つくらいポイントがあって、それをかならず文中に含めなくてはいけません。
たとえば「挨拶」とか「返事が貰えなかった場合、どうするか」とか。
テスト前はこの文章作成問題に対して、授業中に徹底して書く練習をしました。だから、どんなに文を書くのが苦手な生徒も、文頭に
Sehr geehrte Damen und Herren,
だけは間違えずに書けるようになりました。かく言う私もね。
そして2日目は口答試験。これは、クラスメイトの中からペアを指定されて、そのパートナーと一緒に試験に臨みました。パートナーは自分では選べないので、結構当たり外れがありました・・・。私はよく喋るけど、発音が不明瞭で文法より勢いの女の子とペアだったのですが、試験前は数回彼女の家を訪れて、二人で喋る練習をしました。結構これが楽しかった。他のクラスメイトとも一緒に喋る練習をしよう!といって集まったりして。で、内容はこれも3つのパートに分かれていて、
- 自己紹介
- 写真を見て、その内容を説明する
- テーマを与えられ、それについてパートナーと会話し、プランニングする
となっていました。自己紹介は中間試験のA2でもやったのですが、今回は一通り自己紹介した後に、試験管から幾つか質問をされます。
私の場合は「職業はWebデザイナーです」と答えたのに対して、「Webデザイナーとはどんな事をするのか説明できますか?」と聞かれたのと、「プログラミングもできますか?」という質問をされました。パートナーは「今、職探し中です」というのに対し「ベルリンではどんな仕事に就きたいですか?」と聞かれてました。
「写真を見て説明する」に関しては、モデルテストは結構難しかったので心配だったのですが、実際のテストでは男の子がにっこり笑って果物を食べている写真と、女の子とがやっぱり笑ってヨーグルトを食べている写真、と至ってシンプルな内容でした。
私はここで最初に「Auf dem Bild sehe ich ein Maedchen.」と言ったにも関わらず、その語ずっと「Sie ist…」とか「Sie traegt…」など、本来「Es」で言わなくてはいけない所をずーーーっと「Sie」使ってしまいました・・・・。あとで聞いたら同じ過ちをしたクラスメイトがいましたが、彼女の旦那さん(ドイツ人)いわく、それはそれほど酷い間違いではないよ、との事で・・・まあ無事合格したのでなによりでした。
そうそう、3つ目のパート「会話とプランニング」のテーマは「あなた方の知り合いが病気になりました。お見舞いに行くなどの予定を二人で話し合ってください」というものでした。これは結構演技力っつーか、想像力があればノリでいけます。私の場合、パートナーが「私たちの知り合いが、病気で家で寝てるんだ、それで何か助けてあげようと思うんだけど・・・」と切り出したので「えっそうなの?(病気は)ひどいの?」とかなんとか、そんな感じで話してたら途中で試験管が「はい、そこまででいいです。あなた達にはこのテーマはちょっと簡単だったね。」と言ってくれたので、ひと安心できました。
そんな訳で、1ヵ月後ほどに結果がわかり、無事B1に合格となりました。
ちなみにこのテスト、採点が大きく3つのパートで分かれていて、
- 聞き取り・読み取り
- 文章作成
- 口答
のうちで、点数によってA2レベルかB1レベルかを判定するのだそうですが、比率が決まっていて、「口答」がもっとも大きな比率になっている、と試験前に先生が教えてくれました。たとえば
- 聞き取り・読み取り→B1
- 文章作成→A2
- 口答→B1
という成績の場合は無事「B1」と認められます。ですが、
- 聞き取り・読み取り→B1
- 文章作成→B1
- 口答→A2
の場合は「A2」と判定されてしまうのです。また、以下の場合も「A2」です。
- 聞き取り・読み取り→A2
- 文章作成→A2
- 口答→B1
なので、筆記は良くても会話に自信がないわたしは、試験前かなりナーバスでもありました。
このDZ試験を受けた後は、結果のいかんに関わらずとりあえずオリエンテーションコースを受けることになっていて、それはこれがIntegrationskursだからなのですが、ドイツ語で高校ぐらいまでの社会科の授業をうける感じなので、言葉が難しかった!でも、ドイツの連邦議会制の事やちょっとした法律、歴史などがわかってとても面白かったです。
ちなみにこの授業で知った最も長い言葉は”Die bedigungslose Kapitulation”(無条件降伏)。いや、正確には2語なんだけどね。
勉強になったな。Das ist mir eine gute Lehre!